【ボリビア】内陸国ボリビアの沖縄そばは、カツオの代わりに… 脈々と受け継がれる沖縄料理/現地コラム・安里 玉元 三奈美さん②

2020.4.29

地球の反対側・南米ボリビアにある県系人移住地「コロニア・オキナワ」
距離は遠く離れていても、琉球料理・沖縄料理の伝統や食文化は脈々と受け継がれています
今回のコラムは、そんなコロニア・オキナワでどのように沖縄料理が親しまれているのかを紹介していきます!

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栄養会やお祝いで食べる、ヒージャー汁

元気が付くといわれる沖縄料理の代名詞的存在・ヒージャー汁(ヤギ汁)を食べられるのは年に数回。
コロニア・オキナワでは、地域のプライドをかけて戦う駅伝大会と大運動会の前に公民館に集まって栄養会をします。その栄養会やお祝いで食べることができます。

ヒージャー汁は、コロニア・オキナワの住民の大好物!
そして、ヒージャー汁が大好きな私もこの日は楽しみ!

ボリビアに移住したての約2年前、「ヒージャー汁作るよ」と言われて、見に行きました。

おじさんたち数名で牧場内のヒージャーを捕まえますが、捕まえるのも一苦労。捕まえるだけで数時間かかることもあります。
捕まえたヒージャーは、いったん紐で木などに結ばれますが、そのヒージャーが私の家の庭の木に結ばれているなんて光景もありました。

ヒージャーが連れていかれる貴重な一枚です。

おじさんも青年たちもみんな手慣れた様子でさばいていきます。
ヒージャーは、部位ごとにきれいに洗って、刺身用、汁用に分けられていきます。
いろいろ、目からウロコの貴重な経験!

ヒージャーの刺身をつつきながら、片手にはビールで、たわいもない会話で盛り上がります。
沖縄で過ごしていたとき、親戚のおじさんたちがヤギを捕まえて作ってくれたヒージャー汁を思い出して懐かしい気持ちになりました。

ヒージャー汁にフーチーバー(よもぎ)と生姜を入れて食べるのも沖縄と一緒!
ボリビアのフーチーバーは、沖縄のフーチーバーより少し小さめですが、味は沖縄でもボリビアでも変わらない味、文句なしの美味しさです!

ボリビアでも食べれるソウルフード・沖縄そば

コロニア・オキナワでは、沖縄県民が大好きな沖縄そばが食べれます!
新年会、豊年祭、敬老会など特別な地域行事で、すぐに売り切れてしまうほどです。コロニア・オキナワに住むボリビア人のみなさんにも人気です!

でも、沖縄そばと言ってもちょっと変わった沖縄そば。

ボリビアは海がなく魚介類の食材が少ないため、ダシは主に豚骨と鳥から。
麺は、そば麺がないので、パスタ麺を使った沖縄そばです。

パスタ麺を使っているので、期待して食べるとあれれ?と思ってしまいます。
ボリビアに移住して何度も食べましたが、パスタ麺だとスープと麺を別々で食べている感じで、やはり物足りなさを感じてしまいます。

沖縄そばを家で作って食べる家庭もありますが、私もそのひとり。

私は故郷沖縄の味に近づこうと、ダシと麺を自分で作った独学の沖縄そばをつくりはじめました!

沖縄に住んでいたらお店に行けば食べれて、スーパーに行けば麺とダシが売っているので、自分でゼロから作るなんてことはありません。

しかし、海外に移住したら「ないものは作る」の精神が生まれてきます。

スープは豚骨から長時間かけてとって、麺は材料を混ぜてこねこね作りあげて出来上がり!
少しは故郷・沖縄の味に近い、ちぢれ麺の沖縄そばが完成します!

家庭で作る沖縄そばも美味しいです!

沖縄そば屋さんは、コロニア・オキナワから約90キロ離れたボリビア第二の都市・サンタクルスにあるので、そこでは自分で作らなくてもいつでも食べることができます。

ボリビアに旅行の際は、ぜひ味わってもらいたい沖縄料理です!

家庭で受け継がれる沖縄料理

ヒージャー汁や沖縄そば以外に、ボリビアで食べる沖縄料理はたくさんあります。
家庭で作るゴーヤーチャンプルー、ナーベーラ(ヘチマ)、中身汁、ソーキ汁、人参しりしり、サーターアンダギーなんでも食べられます。

商店で、ゴーヤーや中身などの食材も売られているし、私の家の庭にはゴーヤーとナーベーラが植えられているので、いつでも料理ができます。
ボリビアにいながら沖縄にいるときと変わらず沖縄料理が食べれるのは、ありがたいです。

ボリビアにいても故郷を感じる味がある

ボリビアに住むウチナーンチュにとって、沖縄料理は身近にある料理
日本から見た地球の反対側に移住して、まさか沖縄料理がこんな身近にあるとは思ってもいなかったです。

懐かしい気持ちになって、沖縄にいる気持ちにさせてくれます。

ボリビアに移住した90歳のおばぁは「沖縄料理は故郷を感じさせてくれる」と言う。
世界一周の旅人はボリビアで沖縄料理を食べると「やっぱり沖縄料理は癒される」と言う。

沖縄料理は、ウチナーンチュにとって故郷を感じる味なんですね。

異国の地ボリビアでも、この故郷の味、いつまでも受け継いでいきたいですね!


プロフィール

安里 玉元 三奈美(あさと・たまもと・みなみ)
沖縄県出身。若者の祭典「世界若者ウチナーンチュ大会」を南米・北米・欧州・アジア・沖縄の5大陸で開催。海外に雄飛した県系子弟とのネットワークを形成。ミスうるま2015。2018年ボリビア在住の沖縄県系3世と結婚して、移住。2020年第1子出産。琉球新報ボリビア通信員。現地でライター、家系図制作、日本語教師をしながら、ボリビアで今も残る「沖縄文化」や「活躍する人材」にスポットを当て、ボリビアの情報を発信しています。