【南米・名護】特別インタビュー②「世界のウチナーンチュの日」立役者・ダブルアンドレス 世界⇒沖縄でブランド化「パイン、マンゴー、紅イモも最初は沖縄に無かった」

2019.12.4

毎年10月30日の「世界のウチナーンチュの日」。「ウチナーンチュであることを喜び、世界中でつながり合い、ますます繁栄していこう」という願いが込められています。この記念日制定を発案した「2人のアンドレスさん」に「ウチナーンチュがもっと輝くには」についてインタビュー形式で対談してもらいました。2回シリーズの2回目です。

左⇒比嘉アンドレスさん=アルゼンチン3世 名護市国際交流会館職員
右⇒伊佐正アンドレスさん=
ペルー3世 名桜大学職員

伊佐「沖縄でブランド化できそうなものは世界に溢れている」
比嘉「イタリアのスパゲティだって、南米のトマトと東アジアの麺が中間で融合した」

Q.南米などでもウチナーンチュが経済的に成功してたくさんの企業がありますね。

伊佐「世界中で成功して大きな会社持っている県系人は多いです。例えば、南米だったらミヤザトガラスとか」

比嘉「ハワイにも泡盛の会社ありますよね」

伊佐「世界を動かしているのは、ヒト、モノ、カネ、情報じゃないですか。今、世界のウチナーンチュに足りていないのはカネと情報。活躍している人もいるし、誇るべき物もあるけど、資金や情報共有に乏しい。4つのうち2つが足りたらもっと世界と勝負できると思います」


Q.もっとウチナーンチュが世界的にビジネス展開するのに必要なのって何だと思いますか?

比嘉「世界のウチナーンチュ同士の、文化的な関係はすでに作られていると思う。それからビジネスのつながりになるのかと思います。でも、ここが面白いね。これも含めてウチナーンチュかなぁと。ビジネス下手っぴね(笑)
例えば南米からだと、沖縄に持ってきてブランド化できそうな物はいっぱいありますよ。ペルーからはじゃがいもとかね。ペルーはじゃがいもの原産地で3000品種あると言われています。こんなにたくさん種類があれば、ひとつぐらいは沖縄で栽培できてブランド化できるものがあるはずですよ。台風が来てもじゃがいもは地中にあるから生き残るさ」

伊佐「『じゃがいも3000種類プロジェクト」っていって、全種類沖縄に埋めてみるのも面白いかもしれないね(笑)そしたら沖縄に合うのが探せるかもしれない」

比嘉「今、沖縄でブランドになっているフルーツがあるけど、パイン、ドラゴンフルーツ、マンゴー、紅イモ、全部もともと沖縄に無かった物ですよ!
例えばイタリアのスパゲティもそうね。トマトは南米から、麺は東アジアから。それが真ん中で融合してイタリアの物になった。

だから、何かに挑戦する前に「できないよー」って言われたらイライラーするね(笑)こんな人には水かけてあげたいね!(笑)」

伊佐「ペルーにはルクマっていう果物があって、アイスクリームのフレーバーとして人気です。今度ペルー行った時食べてみてください。でーじおいしいですよ。表現できないけど、どっちかといえばマンゴーには似ているかもしれない。気候的には沖縄でも育つのではないかと思います

ルクマ。画像出典( http://peru-travel.club/lucuma-peru/ )

比嘉「ルクマはペルーにしかないですよ。アルゼンチンには無いから最近まで私も存在を知らなかったです。ルクマを沖縄に持ち込んでブランド化したら売れると思います。加工までしていろんな商品作れるよ」

伊佐「ペルーには、ルクマだけじゃなく、ジャガイモもたまねぎだけでもいろんな品種があって、市場を見てるだけで楽しいです。終わりがないですよ」

比嘉「南米ほど遠くに行かなくても、フィリピンでもインドネシアでも台湾でも中国でも、宝が眠っているかもしれない

沖縄は芸能文化で勝負すべき「国際琉球芸能団」構想

Q.音楽やアートなどの文化交流についてはどう考えていますか?

比嘉「夢は大きいかもしれないけど、世界中のウチナーンチュが一緒に見れるTV番組があればいいかもしれませんね。南米ロケとかしてね。私がチョンダラーの格好して出てもいいよ!」

伊佐「まじめなのだけじゃなくて、若者向けのものとか」

比嘉「あと、沖縄が世界的に輸出できるものって、私が思いつくのは空手とエイサーぐらいですよ。だから、エイサーを中東の石油王に知らせたいね。お金ある所に持っていかないと(笑)フェラーリがタクシーとして走っているような国ですよ。金持ちの石油王が『お前たちのダンス、上等だね。よし、ここで支部作ろう』ってなったらもう、最高ですよね。資金力というのはとても大事。
でも割と本気で言っていて、例えば、こういうことの一つ一つが観光振興とか投資の受け入れのきっかけになっていくと思います」

伊佐「エイサーとか空手とか琉舞とか三線とか、沖縄の芸術を融合させて『国際琉球芸術団』みたいなのを作ってもいいかもしれませんね。サーカスみたいにいろんな国を年がら年中回って。日本太鼓でいうTAOみたいな感じで。多国籍で、訪問先のパフォーマーともコラボするとか」

比嘉「世界の人は、珍しいものを観たいですからね。さっそく石油王に観てもらおう!」

伊佐「芸術やっている人が、それを仕事にもできますよね」

比嘉「外国の曲でエイサー踊るとか、音楽を他の言語で歌ってみるとか、工夫して国際的なショーを作り上げるのが大切だと思います。『(ペルーの有名曲)コンドルは飛んでいく』に乗せて、南米でエイサー踊ったらもう、すごいと思うよ。大統領まで来るはず。芸能ビジネスもウチナーの強みです

伊佐「空手については世界中みんな知っています」

比嘉「芸能や文化で世界と勝負した方が、他の産業よりも結果出るのが早いと思います」

ウチナーンチュの日は「スタートの日」。アイデンティティで揺れる人の力にも

Q.最後になりますが、なんで「世界ウチナーンチュの日」(10月30日)の制定に尽力したんですか?

比嘉「沖縄のカレンダーには1月1日から12月31日まで、ウチナーンチュとして誇れる祝日がありません。海外では、自分がその国の人間として誇れる祝日が5、6個はあるはず。独立の日や、国旗の日とか。もちろん、慰霊の日や復帰記念日など沖縄独特の日はありますよ。だけど戦争に基づいた悲しい日や複雑な日で、みんなで喜んだり祝ったりするという性質のものではありません。歴史を作る、明るいスタートの日が必要だと思いました。心まとめて一緒に歴史を作ろうという日がないというのは、おかしいよ。僕がもしも尚巴志だったら、三山統一のした日をその日で記念日にしていたはず(笑)でも、そう思いますよ」

伊佐「ウチナーンチュとしてのアイデンティティを大切にして誇りを持って、明るく楽しくやっていきましょうという日にしたかったです。『三線の日』『黒糖の日』はあるけど、人を大切にする日がありませんでした。私みたいにアイデンティティで葛藤している人もたくさんいます。県系人、日系人はここに存在しているよ、っていうメッセージも込められています」

比嘉「日本にいても、出身国にいても『ガイジン』といわれたら戸惑うじゃない?海外ウチナーンチュはアイデンティティで揺らいでる人が多いからね。ウチナーンチュとして一つになることは、その観点からも大切なことなんですよ」

(文・長濱良起/One Okinawa)